神田昌典著書に紹介:教育ビジネスのプラットフォーム化で業界革新 TICK-TOCK(ステップボーンカット)
step bone cut
ステップボーンカット
sayuri ushio
神田昌典
2008年『日本でいちばん大切にしたい会社』(坂本光司著)が出版され、シリーズとなった(現在5作目)。会社ものは、ブラック企業・ホワイト企業なども話題になるくらい、情報として顧客ニーズがある。また昨今、変化しつつある「働き方」というテーマも多く取り上げられている。
そこで、変化する時代に対応している企業や、まったく新しい形態でビジネスが生まれている企業などを紹介し、未来のビジネスモデルや働き方を提示する本にしたい。
神田さんが注目している企業は本当に面白い活動をされている。「こんなビジネスが生まれている」「既存の企業もこんなに変化している」という、神田視点の驚きとインパクトを与える本
【著者】
神田昌典(かんだ・まさのり)
経営コンサルタント・作家。上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。コンサルティング業界を革新した顧客獲得実践会を創設し、延べ2万人におよぶ経営者・起業家を指導。
1998年に作家デビュー。従来のビジネス書の読者層を拡大し、実用書ブームを切り開く。現在は、株式会社ALMACREATIONS代表取締役、公益財団法人・日本生涯教育協議会の理事を務める。著書に『全脳思考』『ストーリー思考』『稼ぐ言葉の法則』(以上、ダイヤモンド社)、『成功者の告白』(講談社)、『バカになるほど、本を読め!』(PHP研究所)、『あなたの会社が90日で儲かる!』『非常識な成功法則』『口コミ伝染病』『不変のマーケティング』『禁断のセールスコピーライティング』(以上、フォレスト出版)など多数。
【ライター(取材)】
加藤鉱(かとう・こう)
ノンフィクション作家。中国ブログ情報局・China LOOP主筆。1953年愛知県生まれ。立教大学法学部卒業。雑誌記者を経て、1992年香港で日本語オピニオン紙「サイノエイジア・ファックスライン」を創刊。歴史的な過渡期を迎える香港をレポートする一方、独自の視点で企業および人物を追跡。10年間の香港在住を経て、現在は東京を拠点に活動中。
著書に『中国ホンダ経営会議』、また船井幸雄との共著に『組織体運営はトップ1人のリーダーシップで決まる』などがあり、企業を取材して書く技術には定評がある。近著には、中国でマフィアを手玉に取った男の人生を描いた小説『大班』(集英社)がある。
【登場企業7社】(順不同)
・ダイタングループ(富士そば)・・・丹有樹副社長
神田さんの主宰する実践会のスター企業。一杯数百円のそばで利益を生み出すために、立地、店舗空間、顧客回転率、はずれのない商品開発など、まさに精密機械のように計画されたビジネスモデルを持つ。一方で、創業者の描いたストーリーを社員に浸透させつつも、新しい挑戦に取り組む。女性客の集客、外国人の集客、また、海外進出など、フーチャーマッピングを会議に取り入れ、新規業態開発に成功する。成長を求めるという視点。
・会宝産業株式会社・・・近藤典彦会長
自動車解体業から、解体部品を世界にリサイクルする会社に業態を変え、静脈産業というイノベーションを果たす。その取り組みにより「世界環境会議」に、企業人として日本人で初めて招聘され、自動車のリサイクルにおける世界のスタンダードとなった。『挑戦する会社』でも、少し紹介されているが、環境という時代のテーマとして深く掘り下げる。時代のキーワードを捉えるという視点。
・霧島高原ビール株式会社・・・山元紀子社長
麦芽を糖にする過程で、ビールの本場チェコで最も古典的な手法を取り入れる。デコクッションという手間暇かかる製法と低温での長期発酵という、これもまた、手間と時間のかかる製造方法をとる。また、ここで研究される麹技術は生産・加工・消費サイクルの家庭で発生する廃棄物に多く応用するGEN方式として開発され、ほとんどの廃棄物を家畜用乾燥飼料に転換する技術を確立。高付加価値飼料として内外で注目され、市場が拡大している。日本の麹技術で世界を救うという視点。
・株式会社VRSサービス・・・東田昇社長
大手不動産ディベロッパー100社以上の取引実績を誇り、自社測量データとテクノロジーを駆使した映像を融合、デジタル時代の不動産販売ビジネスを強力サポートする企業。
これまで、建築士、土地家屋調査士、測量士、CADデザイナー、CG・3Gデザイナーを別々に発注していた業界に、すべてをワンストップで自社で行う。なかでも特にカーナビやGoogle Earthなどで知られる最新の3D加工データは、顧客に大きなインパクトを与えている。太陽から計画建物を見た図面「ソーラーアイビュー」、日影が動くムービー「日照シミュレーター、計画物件を真俯瞰から見た「測量図」、計画物件と周辺環境を重ね合わせ、側面から表した図面「重ね合わせ図」、高品質カメラで正確な位置・高さから全方位360度パノラマ写真を撮影した「眺望写真・ムービー」などを駆使したサービスは、テクノロジーと販促ツールを融合させた次世代企業。技術という視点。
・ビジネス・ライフデザイン株式会社・・・矢根克浩社長
障害者就労支援A型事業所でスタッフ20人ほどが各々のペースで個性を活かして働く。事務系の仕事として、歯科及び医療関係のサポート業務・パソコンでの文書作成業務、また、化粧品や社内スタッフのデザインによる商品などのネット通販にも取り組んでいる。
グラフィックデザイナー・イラストレーター・コピーライター・Webデザイナーの経験者・志望者も在籍。障がい者の仕事の概念を変える視点。
・株式会社TICK-TOCK・・・牛尾早百合社長
美容業界で「小顔立体補正カット(STEP BONE CUT)」というカット法で特許を取得、ニューヨーク・ブルックリンに進出し、STEP BONE CUT ACADEMYというスクールを立ち上げている。ステップボーンカットは、立体的な骨格をつくるための手法によって、デザインの幅を広げ、カットラインが崩れにくいというカット法で、「1.小顔に見える」「2.絶壁が解消」「3.首が長く見え、都会的に見える」「4.手入れが簡単」「5.漫画のようなヘアスタイルが可能」「6.束感が出て、髪が動く」「7.髪がきれいになる」「8.背が高く見え、痩せて見える」「9.スタイルアレンジしやすい」という特徴があり、海外のヘアデザイナーも数多く学んでいる。若者に人気のサロンは姫路、神戸、大阪に7店舗を経営。新技術で世界へ進出するという視点。
・NTTアドバンステクノロジー株式会社・・・営業本部営業推進部門ビジネスモデル・Webマーケティング担当課長 三宅泰世氏
読書会「Read For Action」(=RFA)で、垣根を越えたイノベーションを創出。NTTグループ企業内の「読書会で、垣根を越えたイノベーションを創出」から自治体行政のインキュベーションセンターを中心とした産学官のイノベーションへと展開している。
RFAを基本としたファシリテーションは「違う企業、異分野・異業務・異世代の人たちが一同に会することができる」「イノベーションに必要な知識やメソッドを短時間でお互いに教え合いながら修得し、実践できる」という点。企業内にファシリテーションする新たな方法として大きな変革への小さな一歩になる可能性を秘めている視点。